シャコー3

2013/07/19
00:03

自動車学校に通っているときのヒマダ

■第一話いざ乗車
■第二話脇見運転注意

の続き。
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【第三話孤独な原付講習】

自動車の免許で、原付も乗れる。

ということで自動車学校では【原付講習】がある。

ヒマダの通っていた自動車学校は、お昼休みに原付講習があった。

昼休み開始のチャイムと同時に『本日、原付講習を受ける方はA棟前に集合してください』というアナウンス。

ヒマダは、アナウンスの場所に向かった。その日は猛暑日で、場内を見ると陽炎がたっていた。

[ 夏のバイクは風で涼しく、気持ちいい ]と、バイク乗りの友人から聞いていたので、ヒマダは原付講習を楽しみに向かう。

[ 風と友達になろう… ]ニヤニヤして、A棟前に着いた。

『おう！！』
二輪の担当教官の方とは、初対面だ。

『こんにちわー』

『暑いなー』

『そうですね』

『今日お前ひとりだぞ』

『え？』

『今日に申し込んだのが、お前ひとりだったんだよ』

『え？w』

この暑いなか、

ひとり、

場内を、原付30キロで…。

クーラーのきいた涼しい室内にいる、

他の生徒に見守られ、

ひとり、

場内を駆け巡る。

『友達とか一緒じゃないとや！？』
仲良しなのは、送迎のオッチャンくらいです。

まさかの個人授業。
簡単な説明を受け、原付にまたがる。

『手前た！手前！手を奥にやっても進まん！！』

『こうですか？』(ドゥルルルルル)

『あっぶな！！wお前！わざとだろ！！ww』
違いますよ。

『はい、じゃぁ場内を行ってこい！』

『え！？』

『は？』

『ひとりでですか？』

『他に誰がおる！！』

『先生は？』

『俺はここで見守ってるから！！』

『えぇ！！』

『はやく！』

ヒマダは手を手前にひいて、原付を走らせた。ドゥルルルルル

[ たいして涼しくない… ]

ぐるっと一周して、教官のもとへ戻る。

『まぁ、乗れとるな！どうだったや？』

『さみしかったです』

『www』

『終わりです？』

『いや、まだ時間あるからあと2,3周行ってこい』

『ひとりで？』

『行ってこいww』

『楽しんでるでしょ？』

『ww行ってこいwww』

2,3周は異常に長く感じられた。
昼休み終了と同時に原付講習も終了。

『まぁ、今度ジュースでもおごってやるから』

風と友達にはなれなかったが、
仲良しが送迎のオッチャンと二輪のオッチャンのふたりになった。

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